大学時代。
同じゼミに、宇野さんていう女性がいた。
宇野さんは、別の大学を卒業して、また大学に入学した頑張り屋。
歳は僕より、4つほど上。
笑顔の素敵な、おっとりとした、やさしい女性だった。
別の大学に婚約者がいる、と。
講師だか、助教だか。
宇野さんと一緒に、ある学会に出席した。
各大学からの参加者の中に、特に印象的な人が。
・・ルパン三世に、そっくり。クリそつ。
ルパン三世実写版。
うわー。
楽しくなった僕は、隣の宇野さんに教えようとした。
が、宇野さん、真剣な顔だったので、言うのをやめた。
休憩時間、宇野さんが、
「今日、婚約者も来てるから、紹介するね」
で、連れてきた方は・・・
・・・・ルパン三世 実写版。
うわ、マジで!?
はじめましてー、とか言いながら、ああ僕は、宇野さんに、
「ルパン三世みたいな人がいるよ !」
とか言わないで、ほんっとによかった、と心から思った。
口は災いの元。
言わなくて、ほんとに良かった。