土地を買った。
正確には、土地を買うためのお金、を借りるための手続きをした。
日曜日も営業している、その銀行のローンセンターには、おじいちゃんっぽい銀行マンがいた。
私は土日だけの担当なんです、っていうそのおじいちゃんは、おそらく定年退職して、土日要員として再雇用されたんだろうな、そんな感じがした。
おじいちゃんに指示されるまま、数多くの書類に名前を書いた。
「これは、生命保険の書類です。ご主人に万が一のことがあっても、これがあれば大丈夫です、ニヤッ」
大丈夫ですって、その言い方、なんか、おかしだろ。ローン以外は、全然大丈夫じゃないだろ。死んだら。
書類に、おじいちゃんが、リズミカルにハンコを押す。ポンポン、ポンポンポン ♪♪・・
「おっと、年収欄が抜けています、ここに、896万って書いてください」
・・あのー、僕の年収はそんなにないよ。
「いいです、いいです、896って書いてください。ニヤッ」
・・だから、なんか、おかしいでしょ。ニヤッて。
じゃあ、これで、完了です。お金は来週、振り込まれますから。って、終わった。