僕たちがこどもに恵まれたのは、結婚して10年もたってからのこと。
僕は、二人の生活に満足していたし、僕みたいな人間が、ひとの親になっていいのかという思い、それに、この時代に生まれてくるこどもは、ホントに幸せなんだろうか、っていうような妙な思いもあって、夫婦二人も、まあいいかな、なんて思っていた。でも、嫁ちゃんは、そう割り切ってもいなかった。男とは、やはり感じ方も違うし、周囲からのプレッシャーも強かったようで。
不妊治療専門のクリニックに通い始めた。産婦人科とは違い、妊婦さんや赤ちゃんがおらず、患者さんが皆、同じ立場なので、その点は良かった、と言っていた。検査をして、医師の指示にも従ったけれど、成果は得られず。人工授精を試みることに。僕はそれまで知らなかったが、人工授精は、特別なことではなかった。
朝、精液を専用の容器に採取して、嫁ちゃんが服の中で、温めながらクリニックに持っていく。ある時は、採取した精液の量が少なくて、嫁ちゃん、泣く。こんな量じゃ、絶対無理、持って行っても無理、と。僕も凹んだ。量まではコントロールできない。僕じゃなくて種が必要とされている。種馬みたいだな・・・と思ったこともあった。嫁ちゃんには言っていないけど。
それでも、妊娠した。うれしかったけど、涙で喜ぶ・・ってことはなかった。なぜなら、もし万が一にでも、無事に生まれないことがあったなら、立ち直れないような気がしたから。僕はともかく、嫁ちゃんは立ち直れないんじゃないかと思った。あんまり大騒ぎせず、でも、静かに喜んだ。
無事、出産。うれしかった。それから数年後、まさかの第2子自然妊娠。出産。クリニックに通っていた日々からは想像できない。こんなこともあるんだな。すくすくと無事成長し、今に至る。
ブログ(およそ)500記事記念に、10年も前の当時を思い出しながら、ちょっと真面目に書いてみました。そうでもないな。
今週のお題「今年買って良かったモノ」
潤滑ゼリーとNURU-NURU。いろいろあっても基本は避妊。