小学校の授業参観の話。その日は道徳の授業だった。
「人との違い」について、良いことか、良くないことか考えよう、というもの。
いくつかのケースについて、意見を出し合う。
・肌の色の違いで、人が差別されること
良くない。全員一致。簡単。
・Aさんは昼休みに読書をし、B君は外で遊ぶ
これも簡単。良い。違ってもOK。
・盲導犬がレストランに入ることを断られた
少し意見が分かれた。大多数は盲導犬には大事な役目があるから、レストランに入ってもいいはずだ、と。一部からは「でも犬は犬だから、毛が抜けたりするんじゃない?」という意見も。まあ、小学生だから、そう思う子もいるんだろう。しょうがない。盲導犬はレストランに入ることができる特別な犬なんだよ、ということで決着。
・車いすの少年がバスケットボール部への入部を断られた
意見が割れた。車いすバスケットボールクラブなら、問題ない。でも、小中学校のバスケ部に、車いすの入部希望者がいたなら、どうするべきなのか。
入りたい人は、だれでも入部できるはず、という意見。いや、一人だけ車いすって言うのは、本人にとっても危険だから入部しない(させない)ほうがいいんじゃないか、という意見。
入部したいという子を、車いすだから即ダメっていうのは、道義的に許されないだろう。でも、入部したとして、他の子どもと完全に一緒には活動できないだろうし、指導者も、指導できないだろうし。
こども達も迷っていたが、僕も迷った。それを考えるための授業とはいえ、難しい。
難しいことを、今の小学生はやってるんだな。