打ち合わせで、隣町へ。
そこには子どもが通う学校がある。
ちょうど下校時間なので、子どもを拾って帰ることにした。
バスで帰ると、あちこち停車するので、2時間弱かかる。
車なら直行、50分で帰れる。
後部座席の子どもは、僕が居眠り運転しないように、ガムだの、グミだのを僕に差し入れる。いつもバスでは寝ているのに。
ガムが無くても居眠り運転しないから、大丈夫、寝ときなさい、っていうんだけど、うつらうつらしながらも、ぱっと目を開ける。
そんな子どもを見ていると、ふと思い出した。
僕がまだ小学生のころ。
僕の父の車で、どこかから家に帰る途中。
運転している父に悪いので、寝ないように頑張るんだけど、しょせんは子ども。
結局、眠っちゃって、起きた時には家の車庫。
父に悪いことしたなあ、っていう記憶。
父は、怒ったりもしなかった。
父は、とっくに亡くなったけど、父親のしてくれたことを、今は僕が子供にしている。
こうして巡り巡っていくんだな。