お盆になると思い出す昔話。オチは無し。
男子、初めての射精を精通っていう。精通・・その道に精通する、と同じ言葉だ。とても意味深なのか、はたまた全然そうでもないのか。
僕の精通は、たしか12歳くらいのとき。まだ性知識にも乏しかったころ。精子と卵子が合体すると妊娠することは知っていたが、さてどうやってそれらが出会うのか、まだ知らなかったころ。
家に誰もいないときに、なんとなくチン棒を触っていて、勃起してきたモノを大きな”糸巻き”の穴に入れてみた。糸巻きを選んだのは、ただの偶然。棚の中にあって、「穴」のあるもの。
”大きな糸巻きの穴”といっても、勃起したペニスが入るサイズではなく、亀頭が半分入るくらいの大きさ。入りきらないので、それを亀頭に押し当てて、右に左にクルクルっと回して刺激していた。特に深い意味もなく、ただ単に”刺激”していた。なんとなく気持ちよかったから。
すると!
不意に!
ああ、漏れそう!!
その瞬間まで、おしっこがでそうな前兆なんてまるで無かったのに、不意にきた”なんか出る”感じ。おしっこなら5分や10分我慢できるのに、”それ”は、我慢するとかしないとかそんなレベルを超えて、僕の意思を無視して、いきなり出た、ペニスの先から。
(ここで出したら、絨毯を汚しちゃう!)
そう思った瞬間、出たものは、おしっこじゃなかった。ピュ、っと出たものが、じゅうたんに落ちた。おしっこかと思ったものの量が意外と少なくて、びっくりした。コントロールできない状況で、何かが、出た。出て、すぐ終わった。
慌てて、じゅうたんを拭いた。ああ、じゅうたんがビショビショにならなくてよかった。一体何なの、これ・・・無垢な僕が、一皮むけた瞬間・・・・(実際はまだ剥けていない。剥けるのはそれから数年先)