夏の終わり、遠方での打ち合わせのついでに、洞穴に行った。
洞穴。どうけつ。ほらあな。
溝ノ口洞穴、っていうのは、鹿児島県と宮崎県の県境にある。
予備知識なしに、看板を頼りに、山道を進む。すると大きめの看板が。
「パワースポット」とか書いている。意外と大きそう。ただの”ほらあな”を想像していたけど。
この看板から、小さな川沿いの、離合できない細い道を1.3km進むと到着。
天気の悪い平日のせいか、僕以外には、人っ子一人いない。
さびしいぞ。
入り口。
近くに流れる川のせいか、気温の関係か、無風のせいか、足元に白い霧が立ち込めてる。
ゾワゾワ~って、背中が寒くなった。
中は、真っ暗だ。っていうか、中まで、入っていけない。
行ってもいいんだけど、めっちゃ、こわい。
ああん、無理無理。
だって、この白い霧が、サワサワ~って流れてきて、僕の足を包むんだもの。
ああ、無理。
「洞穴内には縄文時代人の生活跡」もあるらしい。僕はこの洞穴には住めないな。縄文時代に生まれなくて、よかった。
いや、僕を意気地なしというのは簡単だけど、まじ、近寄りがたいよ、この、穴。
看板によると、「昭和41年に関西大学探検隊の調査で224メートルまで確認」だって。
関大探検部の調査、って微妙。探検部の調査で、いいの?川口浩は?
入り口から、1mも進むことなく、写真だけ撮って、帰った。