相撲のことはあまり知らないし、ニュースになっていたイザコザも特に興味なし。ただ、貴乃花親方のお母様の言葉、「ふんぞってるんじゃないんですよ。背を丸めないように育ててます」には、ちょっと共感した。
10代のころの僕は、誰に言われた訳でもないけれど、下を向かずに、胸を張って生きようと思っていた。歩く時も、胸を張っていた。友達には「お前、なんだか歩き方が変だね」とか言われたけれど、全然OK、それはむしろ誉め言葉、それまで以上に胸を張った。
でも、確か、大学の卒論発表のリハーサルの時だったか、教授から、
「君は、発表の態度が、なんだかエラそうだね」
とか言われて、それに対して何か反論したところ、
「その態度も、エラそうだね」と。
実のところ、エラそうにしているつもりなんて全くなくて、下を向かず胸を張る、っていう僕の生き方だったんだけど、それが、見る人によってはエラそうにしている=ふんぞり返っているようにみえるんだな、と初めて知った。
だからと言って、胸を張るのを辞めたわけじゃないけど。
貴乃花親方のニュース映像を見て、この人、エラそうだな、と僕も思ったけれど、ああこれって、あの当時の僕と同じじゃないか、本人はそういうつもりはないんだろうな、とか、勝手に思った。
ところで今の僕は、あまり胸を張っていない。胸を張って生きるのは、(特にそれが、エラそうに見えることを知った後は)なかなかしんどい。