五輪のモーグル競技で「ヘリコプター」って技が。
ジャンプ台で小さくジャンプして、体を軸に360度回転するって技。
昨今の、上下左右にぐるぐる回る技に比べると地味で簡単そうだけど、きっと難しいんだろう。
僕が最初に努めた会社に、保君がいた。
保君は人当たりが良くて、酒が好きで、多趣味で、大型バイクに乗っていた。
夏はキャンプに行き、冬はスキーにも通っていた。
スキーは「ヘリコプター」ができるようになったら卒業して、次はスノボに専念する、と言っていた。
僕はその会社を3年で辞めた。
辞めた後もOBとして、同期会に呼ばれていた。楽しかった。
辞めて何年か経った後、同じく同期の隆君からメールが。
「保君が亡くなりました。葬儀は昨日でした。連絡が遅くなり申し訳ない」
訊くと、帰宅時の駅で、電車とぶつかったそうだ。目撃者情報では、線路に吐いていたとき電車が入ってきたとか。酒でも飲みすぎたのか。
ヘリコプターはマスターできたんだろうか。