平井和正さんの小説にウルフガイシリーズっていうのがあって、満月の晩に無敵になる狼男を主人公にしたバイオレンスなお話なんだけど、普通のウルフガイシリーズともう一つ、アダルト・ウルフガイシリーズがあって、当時中学生だった僕としては、「ちょっと間違って買っちゃった」的な顔で、アダルト・ウルフガイシリーズを買っていた。
「あれ、ウルフガイシリーズと思ったら、これ、アダルト・ウルフガイの方だよ、文字がちっちゃいから、買うとき間違っちゃったよ~」てな感じ。
どちらも小説で、写真があるわけでもないので、アダルト~といっても、そっちの描写が多い、っていうくらいの違いだけなんだけどね。
夜中、ベッドで激しく、励んでいるウルフガイに電話がかかってくる。最初は無視していたけれど、しつこく鳴り続けるので電話に出る。そして、
「おい、こんな夜中に、息を切らせているのは何故だか、わかってんのか?!」
って怒る。
相手は「おお、それは、すまなかったな」とか言う。
僕は「ああ、大人って、こんな会話をしてるんだ、すごい」って思ったもんだ。
「俺がベッドで息を切らせているのが何故か、わかってんのか?」なんて。
そんなに息が切れるものなの?とか。
大人になって分かる。
・・・・そんなセリフ、大人になっても、言わない。
ベッドに電話もかかってこない。
Instagram post by @irukaouji02 • Jul 18, 2017 at 7:09am UTC