気分を換えて、図書館で仕事。
ここは比較的、ゆるい図書館で、多少のおしゃべりもOK。
デスクに陣取り、仕事を開始。
まもなく、近くのデスクにお母さんと、小学生低学年らしき男の子が。
算数の宿題を始めた。
お母さんが勉強を見てあげている。
「5時半までには帰りたいね」
丁寧な言葉で、穏やかに始まったんだけど、なんか、ちょっとずつ、雲行きが怪しくなってきた。
「引く数はなに?」
「ひ・く・か・ず・は・な・に!!??」
ひ・く・か・ず・、と言いながら、指で机をトン・トン・トン・・。
押さえてはいるものの、怒りを含んだお母さんの言葉が館内に、響く。
「消すなら消せ、ちゃんと・消・せ・・」
「線を引け、せ・ん・を・ひ・け・・・」トン・トン・トン
ああ、つらい。
オトナの僕がつらい。
「ナ・ニ・が・そ・ん・な・に・難・し・い・で・す・か?!」とお母さんが聞く。
お母さん、その問いに答えられるなら、問題も解けるよ・・
分らないところが分からないんだよ・・・
それでも男の子は、凹んじゃいない。足をプラプラさせてる。
それが救いだ。
ごめん、僕はイヤフォンで耳を塞ぐことにするよ。