山里君が答えてくれた
小6のときの、僕たちにとっての謎。
「なーなー、女の人って、お風呂でアソコにお湯、入らへんの?」
それに答えてくれたのは、山里君だった。
「僕、お母さんに聞いてみてん。そしたらな、ちょっとは入るけど、すぐに出てくるんやて」
「えーーーーーーっつ、ホンマに!?」
驚きだった。
水が入るかどうか、はともかく、そんな、センシティブで、センセーショナルで、エモーショナルで、要はエッチな話を、こともあろうか、お母さんに聞くなんて。
そのオープンさが、衝撃的だった。
女性的だった山里君
山里君は、おばあちゃん、母親、姉・妹と暮らしていた。
父親は仕事で、長く海外に。
そのせいか、山里君は、どこか女の子っぽかった。
言葉使いも、声のトーンも、物腰も、お肌のツヤツヤ感も。
下手すると、いじめられそうだけど、彼はとびきり頭が良くて、スポーツもできたから、そんなことはなかった。
山里君とのファーストキス・未遂
山里君の家に、よく遊びに行った。ベッドに寝ころんで、マンガとか読んでた。
ふざけてフトンにもぐったりして遊んでいると、ちょうど僕たち二人が重なるような体制になった。
山里君が、
「なあなあ、キスしたことないやろ?ちょっと練習してみーひん?」
「・・・?」
ちょっとなら、練習してみても、いいかな、と、一瞬思った。
が、いやいや、と考え直し、彼にファーストキスを捧げることは無かった。
・・確か、しなかったはず・・してない、してない。
その後
山里君は、地域で1番の高校に進学し、その後、最難関学府に進んだ、と、うわさに聞いた。
いま、どうしているのかは、分からない。
今週のお題「これ、うちのおかんだけ?」