電車の扉が開かぬ理由
久しぶりに電車に乗った。いなかに住んでいると、いつも車移動だ。
で、電車がとある駅に停まったんだが、いっこうに扉が開かない。
降りる人も戸惑っているし、乗る人も開かない扉の向こうでどうしたの?って顔をしている。
しばらくして、車内放送。
「車内で盗撮の通報がありました。警察が来るまで扉を開けられません」
え。
・・・そういえば、駅に着く前に、僕の後ろのほうで、ちょっとしたざわつきがあったな。
大声ではないが、誰かが誰かに何かを言っている声、そして携帯で話す声、車両の後ろに小走りで向かう足音。
あああ、あれか。
5分ほどして、警察官がやってきた・・・・8人。
8人って、駅前はパトカーだらけじゃないの、これ。
遠めに眺めていると、ヘラヘラした顔のおっちゃんが警官に挟まれて降ろされ、被害者らしき女性と目撃者らしき若者が揃って下車していった。
あのおっちゃんが犯人、いや容疑者だろうな。
ヘラヘラしているのは、状況が受け入れられないのか、放心しているのか、こういうシチュエーションでどんな顔をすればよいか分からない顔、か。。。
あとで地方のネットニュースをチェックしてみたが、特にネタにはなっていなかった。
もしかすると、「よくある」ことなのか、僕が電車に乗らないから知らないだけで。
女性がつらい目にあわなきゃいいなとか、若者は勇気があるなとか、ヘラヘラ顔は今はどんな顔しているかな、とか考えていると電車が動き出した。