「市」の仕事を請け負うには、たいてい入札に参加しなきゃならない。
入札に参加するには、「入札参加資格」が必要だ。これまでは、かなり、”なあなあ” の関係で、忖度したり、有力者の友達だったりすれば、そんな資格なんて無くても良かったが、最近は、厳しくなってきた。
で、僕の会社もその資格を取ることにした。提出書類はざっと15種類。市役所、税務署、法務局のフルコースだ。しかも、Aの書類を取るには、まずBの手続きが必要。Bの手続きには1ヶ月かかる・・とか。
まったく、罰ゲームかよ!
そう思いながらも、書類を揃えた。揃えましたよ。
だが、しかし。
書類の中で整合性が取れない部分があることに気づいた。僕が、ある手続きをほったらかしたせいなんだけど。いや、通常そんなところ、誰も気にしないはず。だから僕もほったらかしてた。でも、今回は、そこが重要かも・・・・。
ああ、どうするかな。
書類の訂正手続きをするか・・・
ああ~ん、めんどうだから、このまま出しちゃお。イチかバチかだ。
出しちゃお~っと。
まるで、分かっていて不完全なレポートを提出する、学生みたいだ。ドキドキ。
★★★
出してきたよ、書類。郵送でもいいんだけど、やっぱり、直接持って行った方が良さそうなので、出向いた。市役所に。
受付のお兄ちゃんが、書類を一枚一枚チェックする。
お兄ちゃんが、僕の「見られたくない1枚」を手に取るたび、ヒヤヒヤ。
「気づきませんよーに」
ああ、このドキドキ感。久しぶりだ。
「んん!これは、何かね!?」とか言われたら、どうしよう。どうしましょう。
ドキドキ。
一通りチェックが終わると、逃げるようにその場をあとにした。
ちょっとした、Mプレイだ。
結局、今の段階では、無事通過。
まあ、この後の審査で、バレる、気づかれる、チェックされる可能性はあるけど、まあ、そのときはそのときだ。
手間がかかるけど修正しよう。