いるかピー

だまって仕事してるとたまる愚痴やらをすっきりしたい。夫婦の性愛あり。ミドルエイジ歓迎。青少年にはおすすめできません。

TSUTAYAが閉店した

 

近くのTSUTAYAが閉店した。

 

僕が移住してきたときからあったから、少なくともこの地で20年近く営業していたはずだ。

しかし僕も、この数年は、その店に行っていない。借りるのはともかく、返却が面倒だし、音楽も映画もサブスクで十分だから。

むかしなんとなくAVを借りたことがあったけど、それとてネット動画のほうがぜんぜん良かった。

 

大学生の頃、5年間レンタルビデオ屋でバイトしていて、レンタルビデオに愛着のある僕でさえそんな状況なんだから、もう閉店は時間の問題だったんだろう。というか、よく2023年まで持ったもんだよ。

 


 

長い期間バイトしているとお客と顔見知りになる。今でもよく覚えているほど、毎日のように通っていた常連さんがいた。超映画好き、っていう人種がいるんだ。

 

 

高尾さん。医療系のお仕事をしていた。夜借りた映画を、ベッドで奥様と一緒に見るのが毎日の楽しみだとか。高尾さんには短大生の可愛い娘がいて、よく店に来た。その娘とは2回、寝た。「あなたは彼氏じゃないから、セックスはいいけど、キスはダメ」と言われて、ああそういう考えもあるんだ、と学んだ。僕の小汚い部屋で2回寝た後、「今度はラブホでしようね♡」と言われたが、3度目は無かった。

 

坂上さん。どこかの社長さん。車を買い替えたんだよ、といってマスタングを見せてくれた。「社長といえばメルセデス」と思っていた僕の考えを変えてくれた。社長がアメ車か!と。でもある日、タクシーに乗ってきた。「会社が倒産して、今はタクシーの運ちゃんをしてるんだよ」と明るく言った。人生、いろいろあるんだな、それでも何とでもなるんだな、と教わった。

 

上条さん。小柄な白髪の優しいおじいちゃん。毎日、じっくりAVコーナーを確認して、1本借りていく。上条さんには指が2本しかない。元ヤクザ幹部で、3本は責任を取って詰めた、と。借りるときに、2本の指でカードを出して、毎回「今日は何人?」って聞く。「今日はスタッフ4人です」と言うと、「じゃ、これジュース代」と言って、400円置いていってくれた。ビデオレンタル代は300円なのに。これが「上に立つもの」か、と勉強した。

 

 

閉店したTSUTAYAとは関係ないが、いろいろ思い出した。元気かな。生きてるかな。