年に数回、雪の降る地方都市に住んでた。
夜10時、薄暗い、会社の広大な駐車場。
雪に埋まった車のフロントガラスを、素手で掘ってた。
仕事終わりの疲れもあって、雪掘りハイ。
犬のように、掘る。掘る。掘る。
すると、すぽっと。
指輪が抜けて、放物線を描いて、遠くの雪の中に。
ああああ・・
氷点下の中、30分は探した。
あきらめた。
1週間もして、やっと、道端の雪が解けた。
広大な駐車場。
確かこの辺に、指輪、飛んでったよな・・・
あった。
お帰り、指輪。