嫁ちゃんの勤務する、とある小さな事務所。
そこには事務方のボス、J女史がいた。J女史は昔ながらのパワハラ気質で、その絶え間ない攻撃に耐えきれず退職した新人は数知れず。
加えて、実務担当のボスS氏も、J女史に負けず劣らずのパワハラオヤジ。小さな事務所なのに、パワハラ感満載。
J女史とS氏は、犬猿の仲なんだけど、これまではお互いを避けるようにしていたのか、大きな問題は無かった。
しかし、今年になって、状況が変わった。
★★★
大衝突を起こした二つの巨星。嫁ちゃんをはじめとする、おびえたその他の社員たちは、その戦の行方を固唾を飲んで見守った。
やがて形勢が不利になってきたJ女史は、これまでの自らのパワハラを忘れたのか、「いっしょに戦ってあのパワハラS氏を辞めさせましょうよ!」と嫁ちゃんたちに共闘を呼びかけた。嫁ちゃんたちは、やんわり拒否した。J女史もS氏もどっちもどっちだし。
ついに勝負がついた。
誰も出社していない休日に、J女史は私物を片づけて、事務所から去った。嫁ちゃんたちにも何も言わず。
それからひと月経ち、ふた月経ち、そんな事件はすっかり過去のことになっていた。
・・・はずだった。
★★★
嫁ちゃんたちが休日出勤していた事務所に届いた一通の書留封筒。
差出人は、とある法律事務所。
おそらく、J女史が事務所を訴えたんだ…
事務所きっての鉄砲玉娘Y子が、封筒のスキマを拡げて中を覗こうとするが、中は2重になっていて、さすがに分からない。
「社長が訴えられるのはいいけど、私個人の名前も書かれていたら嫌だな・・・」
嫁ちゃんはそう言うが、J女史ならやりかねない。
果たして、この戦の行方はどうなるのか。
年末に向けてますます忙しくなる中、この素頓狂な事務所は一体どうなってしまうのか。
楽しみだ。。。