週末の朝、6時。ふと目が覚めて隣を見ると嫁ちゃんがいない。キッチンから音が聞こえる。
トイレに起きて、キッチンをのぞくと嫁ちゃんが出かける準備をしている。
「誰もいないうちに事務所に行って、ちょっと仕事してくる」と嫁ちゃん。
「ええ?セックスしようよ」と僕が言うと、嫁ちゃん「え?今から?夜じゃダメ?」。そして「夜、早くお風呂に入るから」と付け加えた。
嫁ちゃんは、夜、たいていグズグズと風呂に入りたがらない。そして寝るのが遅くなり、何をするにも時間が無くなる。でも今夜は早く風呂に入る、という。
いや、多分今夜もきっと入らないだろう。
「まったく、事務所の奴隷だね」という僕の言葉を聞き流して、ドアを出て行った。