子どもが歯科矯正の過程で、親知らずを抜きましょう、ってことになって、3本は、ポンポンポン、と抜けた。
しかし、残る1本が難儀で、「横向きに生えていて、神経にも当たっている可能性があるので、ウチじゃ抜けないなあ」と、矯正の歯科医が言う。
で、「こういう灘症例に強い先生がいるから、紹介するよ」と。
隣の県にある、その歯医者に行ってみた。
僕より少し年上に見えるその「灘症例に強い」先生は、詳細なCTを取って、
「ギリギリ神経に当たっているかどうか。でも、大丈夫。僕が、きっちり抜いて見せます」
とおっしゃった。なんと心強い。医療ドラマか、とちょっと思った。
そして、抜歯が始まった。
待合室まで響く、ドリルの音。大丈夫か。
先生が小走りで出てきて、「ふう、ばっちりです」
なんか、いちいち、かっこいいな。
おそらく、帰ってから腫れるだろうなあ、と心配していたが、意外にそうでもなく。
翌日、消毒に行くと衛生士さんが、「今は腫れていないが、今夜から腫れるかも」と。
で、その夜。
ほとんど、腫れない。
先生がゴットハンドなのか、子どもが腫れにくい体質なのか分からないけど、なんてことなく終わったようだ。良かった。