家族で外食したときのこと。
入口近くのレジに、老夫婦。
僕たちは、そのわきを通って、席に着いた。
座ると、子どもが小声で、あの人、小学校の時の担任の先生だ、と。
あらためて見ると、僕も、かすかに記憶に残っている。
先生だったら挨拶してきなよ、と子どもに言うと、
「きっと、覚えていないと思う」という。
「担任だったら、覚えているんじゃない?」というと、
「でも、1学期だけだったから」、と。
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1学期だけ?
ああ、思い出した。
何年生の頃だったか、担任の先生が数カ月で学校に来れなくなって、2学期から別の先生に代わったんだ。あの時の先生か。おだやかな、おじいちゃん先生だったよ。
2学期から来た別の先生も、また途中で交代して、結局1年間で担任が3人。
先生も大変なんだなあ、と思ったもんだ。
元担任先生は、レジの女性と談笑して、ご馳走様でしたと言って、出て行った。僕たちには気づかなかったようだ。声はかけなかったが、元気そうだったので、良かった。