朝、嫁ちゃんが、
「わたし、親指より人差し指が長いから、人差し指で突き破った」
と、脚を見せにきた。
見ると、あらま、パンストの先から、人差し指が飛び出している。
で、「あなたはどっちが長い?」って。
気にしたことが無かったが、確認してみると、僕は親指のほうが長い。
嫁ちゃんは破れたパンストを脱いで、捨てようとするので、
「ちょっと一回それ、穿かせて」とおねだりしてみた。
特に意味は無いけど、長い人生で、パンストを一度も穿いたことが無いので、マイ・ファースト・パンストを試したくなった。
穿いてみた。
なんて、穿きづらいの、これ。サイズが小さいのもあるけど、足が入っていかないじゃん。無理やり引っ張ってもいいものなの?伸びた布地に指が突き刺さって、破れそうじゃない?これ一枚、いくらするの?
布地を下から上へ、下から上へと順送りして、なんとか穿けた。
あれ?太ももがぎゅっと締め付けられて、わりと気持ちいい。
しかし、暑い。見た目はベージュで、何も穿いていないようなのに、暑い。冬はいいかも。
僕は親指のほうが長いので、(嫁ちゃんが突き破った)穴から、人差し指が飛び出すことは無かった。だからまるで、どこも破れていないようだ。
このまま穿いていても問題は無い。
嫁ちゃんは「捨てといてね」と言い残して出て行った。